私たちの出発点は、xRでした。
私は前職で、VR(仮想現実)を使った技術伝承ソリューションの開発をリードし、「難しい事でも一瞬で脳に届き、記憶に刻まれる」という直観理解の力を、身をもって体感しました。ただ、それを現場へ届けようとすると、コンテンツ開発のコストという大きな壁があります。そこで、環境の3Dモデリングが不要なAR(拡張現実)アプローチでこの壁を下げ、エピソテックは創業しました。
そして「直観理解を、どうすれば誰もが扱える形にできるか」を突き詰める中で、私はひとつの事に行き着きます。現場の知識や技能は、本来その人の手や体に宿っています。けれどこれまでは、それを文字に起こし、決まった形式に整え、上手く説明できる——そうやって「残すために自分を作り変えられる人」の知だけが、辛うじて残ってきました。
書くのが得意でなくても、言葉にしづらい勘やコツを持っていても、その人の価値は変わらないはずです。だから私たちは、動画に着目しました。いつもの仕事を、いつものまま撮る。たったそれだけで、その人のやり方がそのまま知になります。さらに、動画を理解するAIを使えば、解説もナレーションも要りません。ただ作業を撮るだけで、AIがそれを手順として読み解きます。上手く説明できなくても、言葉にできなくても構いません。「見れば分かる」——これは、私たちが最初に出会った直観理解の力を、特別な装置がなくても誰もが手にできる形にしたものです。
その人が、素のままでいい
そして、「何を残すか」までを上から決めてしまっては、結局また誰かを型にはめる事になります。
ですから起点も現場に置きました。一人ひとりが「これが分からない」「これが欲しい」と、自分の言葉で声を上げる。その声から手順書が生まれ、使われ、組織の力として育っていく。標準から抜け落ちた現実や、まだ言葉になっていない知こそ、現場から拾い上げていきたいと考えています。
突き詰めれば、私たちがやりたい事は「その人が、素のままでいい」という一点に尽きます。
書けなくてもいい。上手く話せなくてもいい。気づいた事、思った事を、そのまま出せばいい。一人ひとりが自分のままで、その存在が価値になる。そんな「多様な人材が活躍する基盤」を、これからもつくっていきます。